DTMに最適なCPUスペックは?【使用経験者が詳しく解説します】 | DTM FUN LIFE              

DTMに最適なCPUスペックは?【使用経験者が詳しく解説します】

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顎に手を当てて考え込む男性

CPU選定に迷える人 「DTM作業をするのにCPUはどれにすべきか・・。

コア数やクロック数・・、結局何をする為に、どれくらいのスペックにすべきか定まらなくて困っています。」

このようにお悩みの方向けに、本記事を執筆します。

本記事の信頼性
筆者はDTM実務歴20年ほど。
PC組み立ての経験も多数あるので、参考になるハズです。

本記事を読んでわかること
・DTM向けのCPU選定方法
・CPUコア数の恩恵

DTM向けのCPUスペックについて、わかりやすく解説していきます。
パソコンの買い換えを検討している方、サクっと目を通しておきましょう。

もくじ
1. DTMに最適なCPUについて使用経験者が詳しく解説
 1-1. CPUの種類
 1-2. CPUのクロック数
 1-3. CPUのコア数
 1-4. CPU選定で極端にケチるのはNG
 1-5. CPUスコアのチェックは必須
2. 各CPUが搭載されたDTM向けパソコンの価格帯
3. DTMでCPUはどれ位負荷を受けているか【事例紹介】
4. DTM向けのCPU選定はポイントをおさえれば決めやすい

DTMに最適なCPUについて詳しく解説

並べて置かれたディスプレイとPC

CPU選定のキモになるポイントは、以下の3つ。

  • CPUの種類
  • CPUのクロック数
  • CPUのコア数

それぞれの選定方法について説明していきますね。

CPUの種類

CPUを製造しているメーカーは複数あります。
DTM向けなら、それぞれ以下の中から選ぶと良いです。

CPUの選択肢
Macの場合
 ⇢M1チップ
 ⇢Intel Core i系 (i5 or i7)
Windowsの場合
 ⇢Intel Core i7

それぞれ理由を解説していきます。

Macの選択肢はM1かCore i系

結論として、MacであればM1チップかCore-i7の2択がおすすめ。
コスパとMacに採用されるCPUの動向を考えると、この2つに絞られます。

それぞれ選ぶ場合に押さえるべきポイントは以下のとおり。

M1チップを選ぶ場合
メリット
・長く使っていける
デメリット
・Intel Macよりコスパが低い
・新OSにソフト側が対応しきれていない

新世代Macとして長く使っていけるメリットは大きいですね。
ですが、今は新世代Macへの過渡期ということもありIntel Macよりコスパが低い。

搭載できるメモリがまだ最大8GB、動作検証でもIntel Macに動作が追いついていないという報告も散見します。

今後メモリは32GBまで対応される予定と発表されています。
急ぎでなければ、今はスペックの動向を見守りましょう。

Core i系を選ぶ場合
メリット
・安定動作する実績がある
・コスパが良い
デメリット
・2年後にはAppleサポート終了

安全安心ならCore-i系の選択肢が手堅いですが、2年後にはOSアップデートのサポートが受けられなくなるので、そこは注意です。

Core-i系の中からは以下のように用途に合わせて選ぶと良いですよ。

・Core i5
  ⇢付属音源のみで制作する
・Core i7
  ⇢音源をそれなりに購入して制作

DAW付属の音源やGarageBandのみ使うスタイルであれば、Core i5でも十分です。
積極的にプラグインやソフト音源を購入して使うなら、Core i7を選びましょう。

Core i9はi7よりハイスペックとされるCPU。
処理をスレッド分けして演算する能力が高いとされています。

恩恵がDTMの作業では少ないので、コスパ的に厳しいかもです。後述しますが、全てのソフトが効率的にスレッド処理ができる訳ではないからです。

なので、今ならCore i5かi7がDTM作業にはおすすめなチョイスです。
注意点として、Core i◯の数字が高ければハイスペックという認識も間違い。

CPU選定の注意点
CPUの世代によっては、i7がi9よりスペックが高いこともあり得ます。
Core i◯の数字が高ければ新しい世代、という認識は間違いです。

後述しますが、違う種類のCPUスペックを比較するのにCPUスコアを使います。

WindowsならCore-i7の一択

結論として、WindowsマシンのCPUの選択肢はCore i7の一択でOK。
理由は以下の通り。

  • Intel製はやはり安定性バツグン
  • Core i5との価格差が小さい
  • しかし、Core i9は価格が高い

Windowsならではの選択肢として、AMD社のRYZENは有名。
ですが、安定性を考えるとIntel製になります。

BTOパソコンで選べば、Core i5とi7の価格差も小さく購入しやすいです。
どうせならスペック高めのCPUを選んでおいたほうが吉。

Core i9はやはりコストが高く付くので、Core i7がおすすめです。

Xeon系はどうなの?
Intel MacProでも長く採用されてきたIntel製Xeonプロセッサ。
安定性はバツグンなのですが、価格が高すぎます。

Mac、Windowsどちらで使うにしろ、めっちゃ高くなるのでオススメできません。
コストに見合う程のパフォーマンスがあれば良いのですが・・。

CPUのクロック数

動作周波数とも呼ばれ、数値が高ければ高いほど演算する速度が上がります。
◯◯GHzと書いてある数値のことですね。

クロック数の高いCPUは、値段も当然高くなります。
パソコンのパーツの中でも値段が極端に上がりやすい部分です。

M1 Macを選ぶなら
3.2GHz (8コア)のみ

作業効率はIntelMac Core i5 2.5GHz(4コア)に劣る、という検証報告が出ています。今後に期待と言ったところ。

Intel Macを選ぶなら
Core i7 2.6GHz(6コア) Macbook Pro

Intel Macであれば、このスペックが一番コスパ良いです。
僕はCore i7(4コア)のモデルを持ってますが、プラグインを積極的に使えてます。

具体的には以下のような環境です。

【参考】Core i7 2.8GHz(4コア)の動作挙動
・全部で30トラック
・うち、ソフト音源14CH
・エフェクター各トラック平均2〜3個ずつ使用

今のモデルならかなり余裕をもって作業できますね。ご参考まで。

CPUのコア数

結論として、DTM向けの場合はコア数は多くなくても問題ナシです。
理由は、スレッド処理の恩恵をDTMでは受けにくいから。

コア数が多ければ、並行して演算できるので動作効率は上がります。
ですが、全てのソフトウェアが効率的に動作する訳ではありません。

これ・・、すごい罠・・。
コア数は適度でOK。「多ければ多いほど良い」という考え方は注意!ということです。

本記事の後半で、実際に26コアCPUを使った解説をまとめています。
コストはそれ程かけなくて大丈夫なんです。朗報でした!

CPU選定で極端にケチるのはNG

このように思われる方がいるかもです。

もっとCPUスペックが低くても良いのでは?

結論として、CPUスペックを極端に落とすのはオススメできません。
作業環境を後々変える事情になることはよくあります。

「俺の制作スタイルは絶対かわらないぜ!」という方なら良いかもですが、事情が変わることはDTMでは本当によくあります。

「こんなはずではなかった」事例は、以下のとおり。

・追加で音源導入したら重い・・
・OSをアップデートしたら挙動が変わった・・
・CPUスペック低くしすぎた・・

メモリやディスク容量が足らなければ追加できますが、CPUは基本的に交換はできません。ですので、ある程度余裕のあるスペックで検討しておきましょう。

CPUスコアのチェックは必須

ハイエンドを示す「Core i◯」の数値でスペックの高さが決まるものではないとご紹介しました。ハイエンドじゃないの・・?って思いますよね。

Core i7の新しい世代CPUが i9の旧世代のスペックを上回ることはあります。

同じことが、Core i3や i5でもモチロン起こり得ます。
なので、違う製品同士をするのって専門的な知識が必要になるんですね。

じゃあ、詳しくないとちゃんと比較できない?・・そんな事はありません。
CPUスコアを使う方法があります。具体的には以下。

CPUスコアを調べる方法
・価格ドッドコム等でCPUの名称を検索
・Google検索で「(CPU名) Passmark」と入力

CPUスコアを示すPassmarkのサイト画面

例えば、Core i5 8265UというCPUだったら「Core i5 8265U Passmark」でOK。
この場合「6139」がCPUスコアになり、この数値を比較します。

Passmarkは、CPUスコアを教えてくれる超便利なサイト。

スコアが高ければ100%オッケイ、とも実はいかないのですが、比較の精度は相当上がるので見ておくべき。必ずチェックするようにしましょう。

各CPUが搭載されたDTM向けパソコンの価格帯

PriceとValueの英単語が天秤にかけられイラスト調で比較されている様子

ご紹介した各CPUが搭載されたパソコンの価格帯は、以下のとおり。

マシン CPU クロック数 コア数 メモリ 価格
 Windows(BTO) Core i7 4.8GHz 8 16GB ¥98,000〜
 Mac mini Core i5 3.0GHz 6 8GHz ¥112,800
 MacbookPro Core i7 2.6GHz 6 16GB ¥248,800
 MacbookPro M1 3.2GHz 8 8GB ¥134,800

WindowsマシンとMacの価格差が気になる所ですよね。
それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。

Windowsのメリットとデメリット
メリット
・価格が圧倒的に安い
・フリープラグインの選択肢が多い
デメリット
・Logicが使えない
・トラブル対処能力が必要

予算の事情で選ぶなら、Windowsマシンになります。
スペックに対してコストがめっちゃ低いです。

価格差は、MacとWindowsを選ぶ際の大きなポイント。差がとにかくデカい。
LogicはWindowsで使えないので、ここも要注意。

Windowsマシンは動作保証がBTO販売メーカーに委ねられます。なので基本的にはマシントラブルは自身での対処が必要。ある程度のパソコンの知識は必須です。

Macのメリットとデメリット
メリット
・OSが圧倒的に扱いやすい
・Apple製DAWが使える
デメリット
・価格が高い

人により好みが別れる所ですが、MacOSが苦手という話はあまり聞きません。
以下のApple製のDAWが使えるのも大きな魅力です。

・Garageband
  ⇢Macにプリインストールされ、いきなり制作可能
・Logic Pro
  ⇢全世界で大きなシェアを占め、価格も安すぎる

Logicを使う理由でMacを選ぶ人も多いですね。
マシンも安定感バツグンですが、Windowsマシンに比べ価格が割高。

なのでコストで譲れないならWindows、使いやすさ優先ならMacをひとつの指標にするのがオススメです。

DTMでCPUはどれ位負荷を受けているか【事例紹介】

机の上に整頓されたデスクトップミュージックの機材

コア数を多くしても、DTMでは恩恵を受けにくい話。
コア数の多いCPUは実際どのように負荷を受けているのか、事例を紹介します。

マシンは、Intel Mac Xeon 2.5GHz(28Core) モデルを使用。
以下の2つのソフトウェアシンセで検証します。

  • SERUM
  • MASSIVE X

SERUMで検証
SERUMは負荷がそこそこ重いことでも有名。
各オシレータで、発音数を最大値16音に設定します。

ソフトウェアシンセSERUMのオシレーターウィンドウ

下の画像のように、1つのリージョンに6音並べます。

DAWソフトウェアLogic Xのピアノロール 画面に並べられた6音のノート

作ったトラックとリージョンを30個複製していきます。

DAWソフトウェアLogic Xで並べられた30トラックのリージョン

これだけ負荷をかけても、まだまだ余裕です。
下の画像から、各コアに負荷を分散させ順番に使用していることがわかります。

DAWソフトLogic XのCPUパフォーマンスメーターで付加が分散されてかかっている様子

まだまだ、余裕が有り余っている様子がわかりますよね。

MASSIVE Xで検証
次に、MASSIVE Xで検証。こちらも重いです。
2つのオシレータから、各1音のみ発音する初期設定のままです。

SERUMの時と同じようにトラックとリージョンを複製していくと、5トラック目で負荷オーバーになりました。

DAWソフトウェアLogic XのDSOエラーウィンドウ

パフォーマンスメーターを見ると、びっくり。
なんと、コアを全然使っていないんですよね。

DAWソフトLogic XのCPUパフォーマンスメーターで付加が大きくかかっている様子

各コアに分散させて効率良く動作するソフトもあれば、違うモノもあるというワケです。ここで、このような疑問をもつ人がいるかもです。

事前に効率よく動作するソフトを見分ける方法は?

結論として、これは実際に使ってみないとわからないです。

筆者は多数のプラグインを持っていますが、感触として極端に重いソフトは3割未満といった所でしょうか。コストに対しリスクある数値かな、と個人的には感じています。

ですので、コア数に極端にはコストをかけなくて良いという結論です。
コア数増やせば万能、という夢はありません。orz

DTM向けのCPU選定はポイントをおさえれば決めやすい

ヘッドホンをかけパソコンの画面に向かう男性

CPUはマシンのパーツの中でもコストが占める割合は大きいです。
選定には一番気を使うパーツですよね。その後の作業効率にも直結する部分ですし。

特にMac使ってる人にとっては、今はかなり選定しにくい時期です。
Intel Macより多少効率が落ちても先を見据えてM1 Macを選ぶか、Intel Macを選んでおくか。

押さえるべきポイントは、作業の規模をあらかじめ把握しておくこと。
あと、買い替えのスパンをどれくらいで考えているかですね。

今もし自宅にパソコンがあれば、お試し版のDAWをインストールして作業してみる、というのも見積もる一つの方法です。

精度の高い比較材料になりますし、自宅のパソコンでOKかもですよ。
最適なCPU選定で、コスパの良いマシンを手に入れて下さい。\(^o^)/