重厚なEDMベースの作り方を解説【2つのポイントを押さえよう】

EDMを作りたい人「プロがEDMで作るような太いシンセベースを再現できません。
EQで調整するにも限界を感じています。 作り方を知りたいです。」
いくら調整しても、EDMで使われるベースのように太い音にならない・・。 そうお悩みではありませんか?
本記事では、EDM向けの重厚なベース音色を簡単に作る方法をご紹介します。
本記事の信頼性 筆者はDTM歴20年ほど。 EDMを実務でよく制作しますので、本記事は参考になると思います。
具体的に3つのポイントに分けて説明していきます。 サクッと読めますので、すぐに実践できますよ。
本記事を読んでわかること 重厚なEDMベースの作り方
それでは、さっそく見ていきましょう。
もくじ
1.重厚なEDMベースの作り方を解説【2つのポイントを押さえよう】
1-1. サブベースを重ねる
1-2. サイン波の設定方法
2. EDMのベース音作りではサブベースの調整が重要
2-1. ステレオイメージャーで調整
2-2. 各メーカーのステレオイメージャーを紹介
3. EDMの音色作りを覚えるとバリエーションを増やせる
重厚なEDMベースの作り方を解説【2つのポイントを押さえよう】

EDMでよく使用されるベースは中高域がありつつ低域も太いですよね。 以下の2つのポイントを押さえれば、アッサリ作れちゃいます。
- サブベースを重ねる
- サイン波の設定方法
詳しく説明していきますね。
サブベースを重ねる
メインベースにはイメージと近い音色を選択。 次に、サブベースを重ねて低域を強化することをまず考えましょう。
単体の音色では、全てを満たすような調整は難しいからです。
ベースの音色を決定付けるメインの音色に加え、低域を支えるサブベースを付加することがポイントになります。
メイン音色だけにすると生じる問題 ・超低域の定位感を出しにくい ・エフェクターで広げると重心がボヤける
メインベースに個性的な音色を選んだ場合は特に、低域をコントロールする難易度が上がります。結論として、重ねる音色はサイン波がベストです。
理由は以下のとおり。
サイン波を選ぶ理由 ・メイン音色に影響を及ぼしにくい ・超低域だけ良い感じに付加できる
サイン波を使うと、メイン音色の中高域への音色変化の影響を最小限に抑えられます。 それぞれ役割分担をはっきりさせるイメージですね。
それでは、サイン波を設定方法をいくつかのシンセで説明していきますね。
サイン波の設定方法
オシレーターでサイン波を選ぶか、シンセによってはプリセット音色で選べるようになっています。どれでも簡単にできますよ。
MASSIVE (メーカー:Native Instruments)

基本波形から「Sin-Squ」を選択し、Wt-positionを左いっぱいまで回してサイン波のみの出力にします。他のオシレーターの音色はオフにしましょう。
MiniV (メーカー:Arturia)

プリセット音色から選ぶことができます。
SERUM (メーカー:Xfer)

オシレーターでこのようにセットすればOK。
エンベロープは適宜調整するようにしましょう。
アタックは0、ディケイは最大、サスティンも最大、リリースは0に一旦設定しておき、それぞれ必要であれば調整してください。
サイン波を重ねる際の注意点 イコライザーでメインベースと分離させすぎないこと
ミックスでは普通なら、近い帯域の音同士は分離した方が聴きやすいですよね。 今回は、一つの音色として聴かせたいワケですので、分離しすぎるのは禁物です。
ベース音色としての一体感を出せるように調整しましょう。
EDMのベース音色作りではサブベースの調整が重要

サブベースのみ音像を左右に広げると、また違った質感のベースに仕上がります。 サブベースの音像の広げ方を説明していきます。
ステレオイメージャーで調整
音像を広げるには、ステレオイメージャーを使用します。
ポイントは、かけすぎないこと。
やりすぎると逆相が発生し、音抜けが悪くなったりとミックスに悪影響がでてきます。 逆相が多くならない程度におさえておきましょう。
メインベースの重心を保ちつつ広げる
サブベースのみ、ステレオイメージャーで定位感を広げていきます。 注意点として、メインベースはサブベースより音像を広げないようにします。
理由は、ベース音色の重心がぼやけてしまうから。
ベース音色の重心がぼやけると、曲全体の印象も顕著に変わります。 想定外の変化は避けるべきです。
メインベースは広げずとも程よくなる場合は多いですね。 かけたとしても、10%程度広げる微調整に留めておきましょう。
ステレオイメージャー有りと無しの比較
ステレオイメージャーでサブベースを広げた場合、何もしない場合を比較してみます。
ステレオイメージャー未使用
サブベースにステレオイメージャーを適用
割と違いは出やすいと思います。 この例ではメインベースにはステレオイメージャーをかけていません。
ベース音色としての重量感は十分得られており、サブベースの調整が重要であるということが分かります。
各メーカーのステレオイメージャーを紹介
サブベースに使用するステレオイメージャーですが、DAWに標準で付属してくることも多いですが、有名なプラグインを2点ご紹介します。
筆者がオススメするプラグインはこの2つ。
・Ozone Imager (メーカー:iZotope) ・bx_stereomaker (メーカー:brainworx)
Ozone Imager フリープラグインです。(ダウンロードはこちら) 無償で使いやすいのでかなりおすすめです。

bx_stereomaker 有償プラグインです。 brainworxはドイツのメーカーで、MS処理系のプラグインを多く発売しています。
MS処理をからめた他のプラグインもおすすめ。

DAWによっては操作性がイマイチだったりします。 そんな時はこの2つから選ぶと良いですよ。
EDMではベース音色以外でもこの作り方を多用します

今回はEDMのベース音色の作り方として、音を重ねる(レイヤーを組む)方法をご紹介しましたが、パッド音色やリード音色でも同じ手法がよく使われます。
今回は2種類の音色を組み合わせる方法を使いましたが、場合によっては3種類、4種類とレイヤーを組む場合があります。
レイヤーの数が多くなっても意識することは同じ。 音色の役割分担をふまえつつ、音色としての一体感を出すことです。
同じ音色でも組み合わせで個性的なライブラリを増やせるので、是非いろいろと試してみて下さい。