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EDMでよく使われる太いキック音色の作り方とは?【プロが伝授】

HOW TO

楽しそうに踊る男性

EDMを作りたい人「EDMで使われているキック音色って、太くてテンションあがります!

どうやっても既存曲のようになりません。作り方を教えて下さい。」

自作でEDMのキック音色を作ってみたものの、既存曲聴いて萎える・・。orz
こんな経験、ありませんか?

本記事では、誰でも簡単にEDMのキック音色を作れる方法を解説します。

本記事の信頼性
筆者の実務歴は20年ほど。
EDMも多数実務で作ってきたので、参考になるはずです。

イチからわかりやすく解説していきます。
読み終わるころには、そのまま実践できるようになってますよ。

本記事を読んでわかること
EDMの太いキック音色の作り方

キックって、EDMでは主役級の存在感ですよね。
曲全体のクオリティを底上げしちゃいましょう!

もくじ
1. EDMでよく使われる太いキック音色の作り方とは?
 1-1. レイヤーをくむ波形の選定
 1-2. フィルターでカット
 1-3. Busでコンプレッサーをかける
 1-4. 違和感がでた時の対処法
2. EDMのキック音色をさらに太くするために
 2-1. ステレオイメージャーを使う
 2-2. EQでブースト
3. EDMにおけるキック音色作りはとても重要

EDMでよく使われる太いキック音色の作り方とは?

青色に照らされる中ダンスフロアーで手をあげる観衆

結論として、EDMのキック音色は以下の工程で作ります。

① レイヤーをくむ波形の選定
② EQをかける
③ Busでコンプレッサーをかける

EQやコンプレッサーで単体の波形をいくら加工しても、限界があります。
キック音色の調整方法を、解説していきます。

レイヤーをくむ波形の選定

単体の波形を調整しても、理想の音に近づかない理由。
それは、帯域のオイシイ要素を組み合わせて作られているから。

具体的に、以下の要素が組み合わせられています。

  • 低域の「ドスン!」という音
  • 高域の「カツッ!」という音

低域用と高域用に、それぞれ波形を選定していきます。

選び方のポイント
・高低域、それぞれ理想とする音の特徴を聴きわける

理想のキック音色の高低域の特徴に似た波形を、別々に選び分けます。
そんなの難しいYO!、という方に以下の方法がおすすめ。

  • 参考音源でリズムのみが鳴っている箇所をさがす
  • ハイパスフィルタで高域を確認
  • ローパスフィルタで低域を確認

EDMでは曲の冒頭や途中で、リズムだけが鳴っている箇所があるはず。
そこでハイ(ロー)パスフィルタをかけ、高低域の質感をそれぞれ把握します。

別々に確認できれば、波形も選びやすいですよね。
これで波形選びをイージー化できちゃいます。

フィルターでカット

2つ波形を選んだら、次はフィルターでカットし整えます。
低域と高域、それぞれ説明していきます。

低域用キックの処理

以下のように、まず低域用キックの超低域を調整。
画像ではカットしていますが、曲によってしない調整でもOK。ここは好みです。

高域をハイパスフィルターでカットします。
カーブの形は、大体画像のようになればOK。

低域用キック音色に施されたイコライザー設定

低域用キックの加工前と加工後の波形を聴き比べてみましょう。

加工前のキック音色

加工後のキック音色

低域の特徴的な帯域を抽出するイメージです。
ポイントは以下です。

低域用キック加工する際のポイント
・高域を削るカーブの傾斜はゆるやかに
・音をカッチリ分離するイメージではない

もし「少し低域が足りない」と感じるなら、80Hz付近を持ち上げると良いです。
別で低域の調整も行うので、+1dB程度と微調整レベルに留めておくのが良いです。

高域用キックの処理

以下のようにHigh Pass Filterで低域をカットします。
低域用と同じく、カーブはゆるやかにしておきましょう。

高域用キック音色に施されたイコライザー設定

低域用キック音色の加工前と加工後の波形を、聴き比べてみましょう。

加工前のキック音色

加工後のキック音色

高域のカタい音を抽出するイメージです。
低域と同じように、ここでは荒削りな感じで大丈夫です。

Busでコンプレッサーをかける

低域用と高域用のキックの処理ができたら、Busトラックにまとめましょう。
まとめたBusにコンプレッサーを軽くかけると一体感がでます。

完成したキック音色を聞いてみましょう。

Busにまとめたキック音色

低域用と高域用のキック音色がまとまり、太くなりましたよね。
元の波形の聴こえとも違って、オリジナルな音色になりました。

違和感がでた時の対処法

組み合わた結果、違和感がでた場合の対策をご紹介します。

  • フィルターでカットした帯域を調整
  • 音ネタの差し替え

低域用と高域用の波形をフィルターでカットを行いました。
その際のカーブの傾斜や、カットする領域を調整すると改善されることがあります。

違和感の原因になるのは、だいたい以下の2つです。

  • 音が分離し過ぎている
  • 中域で干渉を起こしている

音が分離し過ぎている

違和感の原因として、2つの音色が過度に分離されていることが考えられます。

ある程度、お互いの波形に重なる帯域が残っていたほうが一体感は出しやすいです。
(逆に、ミックスで音を分離させたいときは可能な限りかぶる帯域をカット。)

ここでは、かぶる帯域を接着剤代わりに若干のこすイメージです。

中域で干渉を起こしている

そもそも2つの音の相性が悪く、違和感を生じさせる原因になることがあります。お互いに帯域を譲りつつ、中域の干渉を軽減していきます。

それでも違和感が残る場合は、以下の対処をします。

どちらか一方、または両方の音ネタを差し替えるのが手っ取り早い方法。

どの場面でも言えますが、調整に時間をかけるより音ネタを差し替えた方がコスパの高い対策になることが多いですよ。

EDMのキック音色をさらに太くするために

ターンテーブルの上に置かれたヘッドフォン

さらにキック音色を太くするために、以下の方法が効果的。

  • 低域用のキックにステレオイメージャーを使う
  • 低域用キックにEQでブースト

順番にご紹介していきます。

ステレオイメージャーを使う

低域用のキック音色にステレオイメージャーで微量音像を広げます。

かけ過ぎは禁物でして 約30%増程度の調整がおすすめ。

サンプルの音色にステレオイメージャーをかけてみました。

左右に程よく広がったのが、お分かり頂けたと思います。

逆に、低域をモノラル化するプラグインもあります。
低域のモノラル化は、音像を引き締めたいときに使います。

まとめると以下の通りです。

低域に圧や迫力が欲しい
 ⇢低域をステレオ化
低域をタイトにしたい
 ⇢低域をモノラル化

ステレオ化するときは、微調整レベルで。ここ大事です。

EQでブースト

ステレオイメージャーで低域を広げた後、サイド部分にEQで低域をブーストするのもアリです。80〜100Hz付近がおすすめ。

ここでは、微調整というイメージで調整しましょう。
理由は以下のとおり。

・逆相が出やすい
・音が崩壊しやすい

MSレベルの調整は効果が出やすい分、逆相も出やすいです。
ここは常に監視が必要ですね。

また、過度な調整をEQでやるなら音ネタを変えるほうが整いやすいです。
何かにつけて、ココは意識した方が吉。

ブーストするなら、アナログ系のEQを使うと音に個性が出やすいのでおすすめです。

EDMにおけるキック音色作りはとても重要

暗闇に曲線を描く青色のレーザー

EDMのキック音色ってめっちゃ大事ですよね。
EDMではリズム単体で鳴らすことも多いですし、曲全体の印象に直結します。

今回の要点をまとめると以下のとおり。

音素材にまず以下を対処
・ 高低域それぞれ用に波形を選定
・ フィルターで各素材を整える
・ Busでコンプレッサーをかけ一体感をだす

この時点で目標とする音には8割は近づけているはず。
微調整としては以下を行います。

微調整としての作業
・ 干渉が起きたらフィルターで再調整
・ 改善しないなら音ネタ交換
・ EQで全体を微調整
・ 低域の広がりをコントロールする

これで、オリジナルなイケてるキックを作れるはずです。

今回ご紹介した方法で、是非自分ならではのオリジナルなキック音色をライブラリ化してみて下さい!