【DTM】イコライザーの使い方をマスターしよう【ポイントは5つ】 | DTM FUN LIFE              

【DTM】イコライザーの使い方をマスターしよう【ポイントは5つ】

HOW TO

こんにちは、ノブシンです。

筆者のDTM実務歴は20年ほど。
MIXを楽しみつつ、作業しています。

「曲作りは楽しいけど、MIX作業でDTMが嫌いになりそうです・・。」

イコライザーはMIXの要。
このようにお悩みの方向けに、本記事を執筆します。

本記事を読んでわかること
・イコライザー使いこなす方法
・さらに、もう一歩踏み込んだEQの使い方

本記事を読んで実践すれば、コツをつかめるはずです。
それでは、さっそく見ていきましょう。

もくじ
1. 【DTM】イコライザーの使い方をマスターしよう【ポイントは5つ】
 1-1. ①イコライザーの種類
 1-2. ②パラメータ
 1-3. ③カーブの種類
 1-4. ④3つの帯域の特徴
 1-5. ⑤調整の実践方法
2. さらに踏み込んだイコライザーの使い方
 2-1. 曲の展開に合わせた調整
 2-2. サイド成分を調整
 2-3. 倍音成分を意識
 2-4. アナログEQを使う
 2-5. 多機能のEQを使う
3. 「DTM作業でイコライザーを使いこなすには」まとめ

【DTM】イコライザーの使い方をマスターしよう【ポイントは5つ】

グレーの筐体のアナログミキサー

イコライザーを使いこなすには、以下の5つのポイントをおさえましょう。

①イコライザーの種類
②パラメータ
③カーブの種類
④3つの帯域の特徴
⑤調整の実践方法

順番に解説していきますね。

ポイント①:イコライザーの種類

イコライザーには以下の2種類があります。

  • グラフィックイコライザー
  • パラメトリックイコライザー

状況に応じて使い分けます。

グラフィックイコライザー

WAVES社のグラフィックイコライザー

ハードウェアはPA機器としてもよく使われます。
グラフィックイコライザーに向いている用途は以下のとおり。

・扱いたい周波数が明確
・周波数は固定値で使う
・Q(帯域幅)は固定値で使う
・アウトボード感覚で使う

エンジニア気質の方に好まれる傾向がありますね。
耳の精度に依存するので、ある程度慣れは必要です。

モデリングしているハードウェアの特性にこだわるなら、断然コチラです。

パラメトリックイコライザー

fabfilter社のパラメトリックイコライザーPro Q3

帯域を指定しカーブを書いて調整をします。
DTMでは、コチラのEQを良く見かけるのではないでしょうか。

以下が必要であれば、パラメトリックイコライザーを使いましょう。

・帯域を探りながら調整
・細かい調整
・直感的で柔軟性のある操作

見た目が直感的でわかりやすいです。
初心者の方は、まずコチラで慣れることをおすすめします。

ポイント②:パラメータ

各パラメータの役割と基本操作は以下のとおり。

  • Frequency で処理をする帯域を指定。
  • Q で帯域幅を指定しつつ、
  • GAIN でブースト、カットする量を調整。
  • OUTPUT で最後にINPUTとの音量差を調整。

最後にINPUTとの音量差をOUTPUTで補てんしますが、差が大きい時だけでもOK。
Bypass時と比較しやすくする為に使うパラメータです。

操作は簡単でノブを左右に回すだけ。
パラメータの名前は製品やメーカーによって多少違うかもですが、機能は同じです。

ポイント③:カーブの種類

カーブの種類は以下の5つ。

  • High Pass Filter
  • Low Shelf
  • Bell
  • High Shelf
  • Low Pass Filter

英語だらけでむずかしそうですが、そんな事ないです。
大工で職人さんが工具を使い分けるイメージです。

必ずしも全部使うわけではなく、適宜組み合わせて使います。
順番に説明していきますね。

High Pass Filter

イコライザーのHPFカーブ

主な用途
・不要な中低域のカット
・極端に音質を軽くする処理

不要な低域〜中域を一括してカットするのによく使われます。
音を極端に軽くする特殊効果をつけたい時にも使いますね。

Low Shelf

イコライザーのLow Shelfカーブ

主な用途
・中低域をまとめて調整
・低域の微調整

High Pass Filterでカットするまでではないけど、低域をおさえたい時に使います。
フィルターと組み合わせれば、さらに微妙な調整ができます。

Bell

イコライザーのBellカーブ

主な用途
・ピンポイントの調整

一番使われるカーブですね。
Qを小さめに設定すれば、周りへの影響を減らしつつピンポイントで調整できます。

Q値の設定しだいで用途は多岐にわたります。
音の分離、金属音の除去、帯域をまとめて処理、など。

High Shelf

イコライザーのHigh Shelfカーブ

主な用途
・中高域をまとめて調整
・高域の微調整

Low Shelfの高域バージョンです。
用途は同じで、高域の微調整に使います。

Low Pass Filterと組み合わせて、さらに微妙な調整もできます。

Low Pass Filter

イコライザーのHPFカーブ

主な用途
・不要な高域のカット
・音をこもらせる特殊効果

不要な中高域を一括してカットするときに使用します。
中高域をカットし、音をこもらせる特殊効果にも用いられます。

ポイント④:3つの帯域の特徴

イコライザーで扱う周波数帯域は、以下のように分けられます。
ですが、分け方に厳密な規則があるわけではありません。

  • 低域 〜200Hz付近
  • 中域 200Hz〜3kHz付近
  • 高域 3kHz〜

各帯域の特徴を把握すれば、処理の具体的な対策もイメージしやすいです。
それぞれ解説していきますね。

低域

ドラムのキックやベースが得意とする帯域。
これらの音色の干渉の対策がメインになる帯域、と言っても良いかもです。

低域は曲を支える土台の役割を果たします。
リスニングポイントで聴こえ方が変わるので、扱いにくさもポイントです。

低域が不足すると・・
・曲全体の迫力に乏しい
・左右のレンジが狭い

70〜80Hz以下は超低域と呼ばれ、20〜30Hz付近以下は聴こえない帯域。
調整にはウーファーがあるとなお良しです。

ない方はスペクトルアナライザーを使いつつ、調整しましょう。

中域

ギターやボーカル等、多くのバックトラックが混在しやすい帯域です。
なので、整理のタスクが多くなりやすい部分。

豊かな中域は音の芯を強固にします。
混み合う帯域なので、音を分離する作業は必須です。

中域が不足すると・・
・スカスカ、物足りない印象に
・音の鳴りが細い

中域を豊かにする事は、曲全体の骨格を強くするイメージですね。
せっかく低域で土台を作っても、中域に乏しければ出音が細い印象になります。

音が混在するので、最初は調整が難航しやすい帯域かもしれませんね。

高域

ハイハットやアコギのストロークノイズ等に高域が多く含まれます。
音抜けに直結する帯域です。

高域の調整で響きの透明感を増したり、音の輪郭を整えることができます。
変化がわかりやすい帯域である分、高域の配分には気をつけたい所。

高域が不足すると・・
・こもった印象に
・劣化したような音に

高域は音を目立たせる為に使うイメージが強いかもです。
合っているのですが、その目的に一途にならない方が良いですね。

理由は、目立たせようとすると音が飽和しやすい帯域だからです。
音の透明度、輪郭を整えるための調整とおぼえておきましょう。

整えられたら、目立たせる配分を考える。
このくらいの感覚で程よい調整になりますよ。

ポイント⑤:調整の実践方法

調整の実践方法は以下のとおり。

  • 入力レベルを確認
  • フィルターでカット
  • Bellカーブでカット
  • ブースト

順番に説明していきますね。

入力レベルを確認

EQのINPUTを確認し、レベルがピークに達していないか確認します。
ピークが点灯していたら、音源の出力を下げましょう。

フィルターでカット

フィルターを使って不要な低域と高域を削っていきます。

低域から始めると音の変化がつかみやすく、イメージを固めやすいですよ。
カットのやり方は、以下のとおり。

音色の変化が起こる直前までフィルターを動かし、カット

低域のカットを例にあげると、以下のような感じです。

イコライザーで低域を処理する様子

High Pass Filterを使って不要な低域を探ってカットします。
高域もLow Pass Filterで同じ手順です。

機械的なカットはNG
これ、絶対です。
機械的にフィルターでカットすると、以下のようになってしまいます。

・全体的に音がこもっている
・全体的に音が軽すぎる

原因は当然ながら、低域と高域の削りすぎです。
解決策は以下のとおり。

・Shelfカーブを併用する
・フィルターの使用頻度を減らす

Shelf系は低域と高域の微調整にも使います。
フィルターと組み合わせれば、絶妙なさじ加減ができますよ。

Bellカーブでカット

Bellカーブでカットをする手順は、以下のとおり。

・金属音をカット
・かぶる帯域をカット

金属音をカット
耳につく金属音をカットすることで、聴きやすいMIXになります。

Bellカーブを以下の画像のように、尖った形状にします。
そのまま周波数を動かし、高域周辺を探ってみましょう。

イコライザーで金属音部分を探っている様子

金属音が強調され耳につく箇所があれば、Bellカーブを反転させてカットします。
カットする量は音が変化しない程度にとどめておきましょう。

かぶる帯域をカット
音のかぶりを取り除いていきます。音を分離する作業ですね。

Bellカーブで以下のような形をつくり、音のくもりが強調される場所を探ります。
帯域をピンポイントで試聴できるEQを使えば、見つけやすいです。

イコライザーでブーストするポイントを探している様子

音がくもる箇所をカットすると、音の干渉が減りスッキリするはずです。
カットする量やカーブの角度は、音の変化を確認しながら調整をします。

以下のように再生する組み合わせを変え、調整をくり返します。
・調整したい音色と、かぶりが気になる音色
・調整したい音色と、全体

全体とのバランスは、常に気にかけておいた方がいいですよ。
また、以下は大事なポイントです。

EQの調整はカットを中心におこないましょう。

ブーストするならカットすべきポイントがあるかも、という心持ちで調整をするのが良いです。ブースト中心ですと、音が飽和しやすいです。

ブースト

音色が得意とするポイントをブーストします。
ブーストする周波数の一例は、以下のとおり。

・キック:60〜80Hz
・ハイハット:3k〜5kHz
・ベース:100〜200Hz
・エレキギター:700〜900Hz
・バイオリン:1300〜1900Hz

数値は音色により変わるので、ひとつの目安として下さい。

Bellカーブをカット時と同様の山の形状にし、ブーストする箇所を探ります。
音が手前に、距離が近く感じるポイントを見つけましょう。

見つけられたら、カーブの角度を調整しつつブーストする量を調節。
後は、カットとブーストの工程を繰り返し、詰めていけばOKです。

帯域が近い音色の対処
ブーストしたい帯域が近い音色の対処法は、以下のとおり。

ブーストしつつ、お互い距離を「やや」ずらす

お互い少しずつブーストするポイントを遠ざけ、ゆずり合うイメージです。
大きくずらす必要がある場合は、音色か楽器構成の見直しをおすすめします。

これが最短、最良の解決策ですよ。

さらに踏み込んだイコライザーの使い方

パネル部分が青色のグラフィックイコライザー

さらに踏み込んだ使い方をするために、おさえる事は以下のとおり。

  • 曲の展開に合わせた調整
  • サイド成分を調整
  • 倍音成分を意識
  • アナログEQを使う
  • 多機能のEQを使う

順番に解説してきますね。

曲の展開に合わせた調整

曲の展開に合わせ細かい調整ができれば、ベストです。
例えば、以下のような楽器構成で展開する曲があったとします。

Aメロ:ドラム・ベース・ギター・ボーカル
Bメロ:シンセ・ボーカル
サビ:ドラム・ベース・ギター・ピアノ・ボーカル

展開すると楽器構成が変わっていますね。
それに合わせてEQの調整も変えると良いです。

帯域の余裕を把握
Bメロで楽器が抜けるので帯域に余裕ができますよね。
なので、Aメロでおさえたボーカルの帯域を見直します。

必要であれば、見直したEQの調整に切り替えましょう。
極端に変えずに、微調整の範囲にすることがポイントです。

サビでは新たに楽器が加わるので、再調整をするとさらに良いですね。

サイド成分を調整

サイド成分の調整すると音の広がりを得られることがあります。
MS対応のイコライザーを使います。

参考EQによるサイド成分の調整方法は、以下の記事の「サイド成分にエフェクトをかける」でくわしく解説しています。ご参考にどうぞ。

倍音成分を意識

倍音成分を意識した調整方法をご紹介します。
EQ調整での倍音の考え方は、以下です。

音には基音に加え倍音成分も含まれるので、倍音による干渉の対策も必要

ですが倍音は多数混在するため、全て対処するのは現実的ではありません。
そこで、以下のように対処を絞ります。

① 倍音成分が気になるトラックを見つける
② 頻繁に使うノートの倍音成分をチェック

以下、音名と周波数値の対応表を作ってみました。

音名と周波数値の対応表

例えば、キーがCmの曲でベースの倍音成分との干渉対策をするとします。
基音のC2 (65.4Hz)を多用することが予想できますよね。倍音成分は以下のとおり。

  • 第2倍音 C3 (130,8Hz)
  • 第3倍音 G3 (196,0Hz)
  • 第4倍音 C4 (261.6Hz)
  • 第5倍音 E4 (329.6Hz)
  • 第6倍音 G4 (415.3Hz)・・・

干渉が気になるトラックで、上記の帯域をチェックすれば良いわけです。
トニックコードを多用する前提ですが、ケースにより扱う周波数を変えてみて下さい。

以下の様なケースで使うと良いです。
・ベースやギターなど倍音を多く含む楽器
・EQで調整したのに分離感が足りない
・ボーカルとオケの調整

調整を詰めるときに是非、活用してみて下さい。

アナログEQを使う

アウトボードをモデリングしたプラグインは、積極的な音作りに効果的です。
一例ですが、以下のアナログEQは有名ですね。

  • API 550
  • Neve 1073
  • Pultec EQP-1A / MEQ-5

EQの特性が再現されており、太い音をつくりたい時におすすめです。

カットはデジタルEQで、ブーストはアナログEQで行うと音作りしやすいですよ。
各メーカーから多数発売されているので、チェックしてみて下さいませ。

多機能のEQを使う

多機能のEQを使うと効率がかなり上がります。
あると便利な機能は、以下のとおり。

  • アナライズ機能
  • MS対応
  • ピンポイント試聴が可能

これら3つの機能が付いているEQを、強くおすすめします。
効率が全然変わります。

アナライズ機能があれば、別途プラグインを挿す必要なし。
MS対応していればサイド成分の調整もラクです。

ピンポイント試聴は、音のかぶりを見るけるのに重宝しますね。
周囲の帯域に影響されず、ピンポイントで確認できるので便利です。

筆者はfabfilter社の Pro Q3というEQを使用しています。ご参考にどうぞ。
→fabfilter Pro Q3

「DTM作業でイコライザーを使いこなすには」まとめ

黄色いテイストでブロック状に表現されたイコライザー表示

本記事のおさらいです。
EQを使いこなすために、以下の5つポイントを把握していきましょう。

① イコライザーの種類
② パラメータ
③ カーブの種類
④ 3つの帯域の特徴
⑤ 調整の実践方法

さらに以下を意識した調整ができればベストです。
先程の5つのポイントを踏まえ、応用していきましょう。

・曲の展開に合わせた調整
・サイド成分を調整
・倍音成分を意識
・アナログEQを使う
・多機能のEQを使う

これらを実践すれば、EQ調整に関しては大分つかめているはずです。
イコライザーを使いこなして、楽しいMIXライフを。