【決定版】ボーカルを失敗せずに録音する方法【7つのポイントを解説】 | DTM FUN LIFE              

【決定版】ボーカルを失敗せずに録音する方法【7つのポイントを解説】

HOW TO

こんにちは、ノブシンです。

筆者はDTM実務歴20年ほど。
ボーカル曲も数多く担当してきました。

「歌モノを作りたいけど、録音するのが難しそう・・。」
歌収録の前知識を知りたい方向けに、本記事を執筆します。

本記事を読んでわかること
・ボーカル収録の方法
・録音に必要な機材の設定
・録り直しを防ぐ事前の対策

レコーディングという響きに、むずしく感じる方が多いかもです。
実際はそんな事ないですよ。

それでは、さっそく見ていきましょう。

もくじ
1.【決定版】ボーカルを失敗せずに録音する方法【7つのポイントを解説】
 1-1. 必要になる機材
 1-2. 機材を接続
 1-3. 録音の環境づくり
 1-4. マイクの設置
 1-5. DAWの設定
 1-6. 入力バランス調整
 1-7. 録音
2. 後悔のないボーカル録りにするために
 2-1. ボーカルへの配慮
 2-2. タイムテーブルを意識
3. ボーカルの録音は経験してナンボです

【決定版】ボーカルを失敗せずに録音する方法【7つのポイントを解説】

レコーディングブースにセッティングされた録音機材

失敗せずにボーカル録りをするため、以下の7つを押さえましょう。

  • 必要になる機材
  • 機材を接続
  • 録音の環境づくり
  • マイクの設置
  • DAWの設定
  • 入力バランス調整
  • 録音

順番に解説していきますね。

1. 必要になる機材

ボーカルの録音に必要になる機材は、以下のとおり。

① DAW
② パソコン
③ オーディオインターフェース
④ マイク
⑤ ポップガード
⑥ マイクスタンド
⑦ 密閉型ヘッドフォン

①DAW

DAWソフトウェアCubaseのメイン画面

音楽制作を行うソフトウェアです。
シーケンスソフトとも呼ばれ、もちろんレコーディングも可能。

種類は沢山ありますが、制作スタイルにチューニングされてるだけで使用目的は同じ。
フリーソフトもあるので導入しやすいですよ。

確認ポイント
このソフトじゃないと質が下がる、初心者に向いてない、という事はありません

各製品のトライアルで試してみるのが良いです。

②パソコン

自宅にあるパソコンを活用しちゃいましょう。
録音するだけであれば、スペックの高さは必要ありません。

バッファサイズを小さくすればDAW出力のモニターの遅延も小さくなります。
ですが、その分CPUの負荷は、大きくなります。

確認ポイント
オーディオIFのダイレクトモニターを使うなら、パソコンは低スペックでOK

オーディオIFを使わず、遅延が大きいなら買い替えを検討しましょう。

③オーディオインターフェース

小型のオーディオインターフェース

パソコンに接続し、音声を入出力する機器です。
ダイレクトモニター機能を使えば、遅延わずかでモニターできます。

ぶっちゃけ、なくても録音は可能。
USB接続のマイクを使えば、ナシでもOKですよね。

ですが、DAW出力のレイテンシーが気になるなら導入しましょう。
導入の際は、パソコンと接続する端子の仕様確認も忘れずに。

確認ポイント
・導入するなら、ダイレクトモニター付きが便利
・DAW出力の遅延が気にならないなら、なくても録音可能

参考オーディオインターフェースの必要性については以下の記事をご参考にどうぞ。

④マイク

マイクには、以下の2種類があります。

銀色のボディのコンデンサーマイク

コンデンサーマイク

黒色に銀色のラインが入ったダイナミックマイク

ダイナミックマイク

用途はそれぞれ、以下のとおり。

・コンデンサーマイク
  ⇢息遣いや細かいニュアンスまで録れる
・ダイナミックマイク
  ⇢「音」として素直な録音ができる

ボーカル録りで迷ったら、コンデンサーマイクを選ぶのが吉です。
表情豊かに声が録れるからです。

デメリットとしては、無指向性なのでノイズを拾いやすいこと。
その点はノイズ対策をすれば大丈夫です。(対策は後述します。)

確認ポイント
特に理由がないなら、コンデンサーマイクを選ぼう

⑤ポップガード

緩い角度で曲げられた黒いポップガード

発声時の息によるノイズを防ぐため、マイクと口の間に設置します。
布製と金属製の2種類があります。

布製はまろやかに、金属製はクリアに聴こえると言われています。
ですが、筆者は音質の差はそれ程気になりませんでした。

ですので、以下のように決めましょう。

・布製
  ⇢コストをおさえたい
・金属製
  ⇢洗っていつも清潔にしたい

また、アーム部分は硬さが十分な製品を選びましょう。
強度が低い製品は、録音中に垂れ下がりやすいです。

確認ポイント
・コスパ重視なら布製、清潔感を気にするなら金属製を選ぼう
・アーム部分の強度は強いものを

⑥マイクスタンド

銀色のボディのマイクスタンド

標準ブームスタンドタイプでOKです。
安価な製品はスタンドの重量感が小さく、安定しにくいので注意。

ブーム後方の先端に、ある程度の重りが付いている製品を選びましょう。
貧弱だと重心を調節しづらく、バランスが不安定になります。

確認ポイント
・安すぎる製品は避ける
・ブーム後方に重りの付いた製品を選ぼう

⑦密閉型ヘッドフォン

たたまれた黒いモニターヘッドフォン

音声をモニターするために使用します。
ボーカルと録音担当がワンルームで作業するときは、2台必要です。

オーディオIFなしの環境なら、ジャックの分配器を購入しましょう。
モニターを、ボーカルと録音担当のヘッドフォンに分配します。

モニタースピーカーがあり、録音は別室でするならボーカル用に1台で問題なしです。

確認ポイント
・ワンルームで録音するなら2台必要
・オーディオIFなしなら、ジャックの分配器も用意

2. 機材を接続

オーディオIFを使った接続例
以下は、オーディオIFを使った器材の接続例です。
別途マイクプリアンプを使うなら、オーディオIFとマイクの間に接続すればOK。

オーディオインターフェースを使用したDTMのセッティング例

USBマイクを使った接続例
オーディオインターフェースなしであれば、以下のとおり。
USBマイクを使うとシンプルになりますね。

オーディオインターフェースを使用しない場合のDTMセッティング例

3. 録音の環境づくり

録音する環境の最適化をしていきましょう。
具体的には以下のとおり。

  • 吸音できる環境づくり
  • ノイズ対策

順番に説明していきますね。

吸音できる環境づくり

吸音できる環境づくりは必須です。
理由は、音声がドライな状態で録音できないからです。

音の反射対策がされていない部屋では、声をドライな状態で録れません。
壁による反響成分も一緒に録れてしまいます。対策は、以下です。

対策ポイント
・リフレクションフィルターを使う
・布団やクローゼットでも代用可

黒いスポンジ素材でつくられたリフレクションボード

リフレクションフィルターを使えば、音の反射を防止できます。
布団やクローゼットの代用も十分可能です。

クローゼットの中はある程度、服がかかっていた方が良いです。
筆者もこの方法を使っていました。

ノイズ対策

できる限りのノイズ対策はやっておきましょう。
音質を保ったまま、ノイズを取ることはできません。

ノイズを除去するプラグインもあります。
ですが帯域が多少なりとも犠牲になるので、事前の対策は必須です。

対策ポイント
・エアコンを切る
・パソコンのノイズ対策
・吸音カーテンを使う
・プチノイズ対策

録音中、エアコンは必ず切りましょう。
忘れがちなので、要注意です。

Macであればワンルームでも、ノイズは大きな問題にはならないはず。
Windows PCの場合、フィルターやケースの音対策は必須です。

吸音カーテンを使うとさらに良いです。外からの環境音を軽減してくれます。
「遮断」とうより「軽減」の効果ですね。

プチノイズがでるときは、デジタル接続している機材を確認しましょう。
シンクに不備があれば、プチノイズが定期的に発生します。

4. マイクの設置

マイクやポップガードは以下のように設置しましょう。

マイクとポップガードの設置方法を解説した画像

マイクの中央からポップガード、さらに口元までそれぞれ5cm程度ずつ離します。
これを、ひとつの目安にしましょう。

ボーカルの声量が大きい場合でも、安易に距離を遠ざけないこと。
極力、入力レベルで調整しましょう。

理由は、距離を開けると声の明瞭感が損なわれるから。

距離感を意図的に出す録音なら、OKです。
ですが、明確な意図がない限りマイクとの距離を開けすぎるのは禁物です。

マイクスタンドの足が、歌い手から見てY字になるように設置します。
マイクの重みで転倒しにくくするためです。

マイクスタンドの立ち位置について解説した図

さらに、マイクケーブルをピンで固定するとバランスが安定しやすいですよ。

マイクケーブルの処理の方法について解説した画像

5. DAWの設定

DAWで以下のトラックを作りましょう。

  • 録音するトラック
  • 採用テイク用のトラック
  • ガイド音用のトラック

録音するトラックを作る

DAWで録音用にモノラルトラックを作り、inputにマイクの入力をアサインします。
録音ボタンを押し、録音待機状態にします。
※ 録音待機状態とは、再生ボタンを押せば録音が開始する状態のことです。

録音待機状態のDAWのトラック

採用テイク用のトラックを作る

採用テイクを整理するトラックも作っておきます。
録音作業に集中できるので、おすすめです。

以下のように、録音する全てのトラックを作っておきましょう。

DAWの採用テイクを整理するためのトラック

ガイド音用のトラックを作る

コーラスやハモリを含む全てのガイドメロディを用意しておくと良いです。
音色は自由で、シンセ音などでOKです。

ガイド音は、オーディオデータ化して使うのをおすすめします。
MIDIはノートの途中再生ができないので、レコーディングでは不便ですね。

用意したガイド音の数だけ、トラックを作ります。
録音するトラックのガイド音以外はミュートにします。

DAWのガイド音を置くトラック

オーディオIFのダイレクトモニターを使うなら、DAWのモニター出力は使わないのでミュートにしておきましょう。

6. 入力のバランス調整

入力音声のバランス調整の流れは、以下のとおり。

① ファンタム電源を入れる
② 録音トラックのメーターを確認
③ マイクプリアンプのゲインを調整
④ 入力のピークを確認
⑤ モニターのバランスの調整

① ファンタム電源を入れる

コンデンサーマイクを使う場合、オーディオIFのファンタム電源をオンにします。

オーディオインターフェースのファンタム電源

ファンタム電源の注意点
・電源のオン、オフ後は20秒程度待つ
・電源を入れる前は、入力レベルは0に
・マイクを抜く前に必ず電源はオフに

ファンタム電源はオンとオフが機器に反映されるまで、20秒ほどかかります。
マイクケーブルを抜く時は、機器の故障につながるので注意が必要です。

必ず、入力がオフになっていることを確認するようにしましょう。

② 録音トラックのメーターを確認

ファンタム電源を入れ20秒ほど待ちます。
録音用トラックのメーターが以下のように、入力に反応しているのを確認します。

DAWのメーターがマイクの入力に反応する様子

③ マイクプリアンプのゲインを調整

マイクプリアンプを使う場合、発声しながらGAINのツマミで入力を調整します。

マイクプリのゲインを上げすぎると、音は歪みやすくなります。
下げ過ぎても S/N比の観点からも宜しくありません。程よい音量にしましょう。

④ 入力のピークを確認

DAWの録音用トラックのメーターを確認し、ピークがおおよそ-6dBになるように入力を調整します。やり方は、以下のとおり。

DAWのメータが-6dB付近までふれる様子

オーディオIFを使う場合
マイクプリアンプの出力を調整
オーディオIF入力ゲインを調整
マイクのPADスイッチを使う

オーディオIFなしの場合
パソコンのマイク入力音量を調整
マイクのPADスイッチを使う

それぞれ、上から順番に試すと良いです。

PADスイッチは音量を大きく下げたい時にオンにします。
下がる音量は製品によって異なります。

⑤ モニターのバランスの調整

オーディオIFにマイク入力とオケのバランスを変えるツマミがあれば、調節は簡単。
「MIX」「MONITOR BALANCE」等の名前のツマミです。

ツマミがない、オーディオIFなしの場合は、以下のように調整します。

オーディオIF使う場合
モニターが小さい
  ⇢Step1. DAWでオケを下げる
  ⇢Step2. オーディオIFの全体出力を上げる
モニターが大きい
  ⇢オーディオIFのマイク入力を下げる

オーディオIFなしの場合
モニターが小さい
  ⇢Step1. DAWでオケを下げる
  ⇢Step2. パソコン出力全体を上げる
モニターが大きい
  ⇢DAWの録音トラックを下げる

注意点として「④」で挙げたパラメータは、「⑤」でなるべく触らないようにします。
バランス調整がスムーズに行いやすいですよ。

7. 録音

RECボタンを押して録音を開始します。
録音する際に気を付けることは、以下の2つ。

  • 録音テイク数の管理
  • ヘッドフォンからの音漏れ

録音テイク数の管理

録音するテイク数のイメージを事前にしておくことをおすすめします。
結論として、OKテイクと予備テイクを2本ずつを目安にしましょう。

MIX段階で、以下のような問題がよく起こります。
・ここだけニュアンスを変えたい
・よく聞いたらリップノイズが入ってる
・ピッチ修正ソフトが音を認識しない

ですので、テイクに余裕があるに越したことはないです。
OKテイクと予備テイクの判断の目安は、以下のとおり。

・OKテイク
  ⇢少しピッチ補正すれば使える
・予備テイク
  ⇢ニュアンス違いとしてのストック

テイク数があるに越したことはないのですが、録り過ぎも禁物です。
テイク選びに時間がかってしまいます。

歌い手の喉の消耗を考え、数をおさえて録ることも大切です。
全体に声量のムラが目立たないよう、計画的に録音しましょう。

ヘッドフォンからの音漏れ

ヘッドフォンから漏れたモニター音をマイクが拾ってないか、確認しましょう。
モニターを大きめにしている際は要注意。

歌い手の骨格や髪質により、ヘッドフォンが浮いてしまうこともあります。
そういう時は、イヤフォンを使うと良いですよ。

後悔のないボーカル録りにするために

マイクに向かって歌う女性の横顔

  • ボーカルへの配慮
  • タイムテーブルを意識

順番に解説していきます。

ボーカルへの配慮

歌い手には常に、以下を気遣いましょう。
・喉の調子
・メンタル

喉の調子への気遣い

喉の体力は人それぞれ違います。
こまめに気遣い、必要な場合は休憩を入れましょう。

録音担当側が声をかけなければ、歌い手側は無理をしやすいです。
安定した収録ができなくなるので、客観的な判断は必須です。

また、水分補給をこまめに促すようにしましょう。
冷水は喉の筋肉を緊張させてしまうので、常温がおすすめです。

メンタルの気遣い

歌い手側のメンタルコントロールも大切です。
良い所は、積極的に褒めましょう。

直して欲しい所は漠然と伝えるのではなく、できるだけ具体的に伝えます。
具体的な例としては、以下です。

音程がずれている
  ⇢ピッチが最後の音だけ、半音の半音程度ずれている
リズムが合っていない
  ⇢タイミングが出だしの部分だけ、やや早い
もっと音を伸ばす
  ⇢◯泊分、音を伸ばすイメージで

具体的に伝えると、歌い手もとても対応しやすいはずです。
結果、作業も早く進みますよ。

タイムテーブルを意識

録音する際のタイムテーブルを意識できればベストです。
歌い手の体力や時間は限られます。

日を変えての録音は、声質が微妙に変わるので避けましょう。
なので、おおよそのタイムテーブルを意識しておくのが吉です。

・Aメロは◯テイク欲しいので◯分程度
・Bメロはコーラスが多いので◯分程度
・サビはロングトーンなので、様子をみて早めに録る

このような感じで、目安を決めておくと良いですね。
慣れてしまえば感覚が身につきます。

「テイク数にこだわった結果、時間が足りなくなった・・。」
こんな事を防ぐため、事前にイメージは固めておきましょう。

ボーカルの録音は経験してナンボです

レコーディングブースでヘッドフォンをして歌う男性

全体的に覚えるボリュームが一見、多そうですよね。
ですが、機材を一度さわってしまえば思ってたより簡単、って話もよく耳にします。

キモの部分は録音の工程。2回もやれば大分つかめてきます。
テイクの選別や採用の判定、指示出しの一連のサイクルは回数重ねれば問題なしです。

最初慣れないうちは、色々と慌てやすいもの。
自分で歌いつつ練習したり、気が許せる家族兄弟で試してみるのも良いと思います。

この記事を読んでくれた人がスムーズにレコーディングできることを願いつつ、ここで締めようと思います。ありがとうございましたっ。